【その場で即投稿】→【即選考】→【即デビュー?】
新しい才能の登場を熱望する講談社の2誌がコラボ!

『やっぱり漫画はおもしろい月刊モーニング・ツー

『世界のはじっこを描き出す小さなコミック誌ITAN

2016.08.21(Sun)【即日レビューありの】即日新人賞その5 in コミティア117レポート

  1. ▲「“あの”漫画の作り方」展と題し、ネームから下書きまで、いつもよりパワーアップした複製原画展!
  2. ▲真剣に当日お預かりした原稿を拝読中!
  3. ▲『大砲とスタンプ』速水螺旋人先生のトークライブも大白熱!
  4. ▲全投稿作の選評が掲示されました!
  5. ▲揉めに揉めた最終選考会。生でガチなのです!
  6. ▲めでたく大賞が2作品も出ました! おめでとうございます!
  7. ▲受賞者には賞金と掲載権が贈られました!

モーニング・ツー編集チーフ 寺山
おかげさまで5回目を迎えた即日新人賞ですが、レベルが高かったです。これから担当編集を決める会議を設けるのですが、皆さんの前でお見せした編集同士の「才能の獲得戦線」を、さらに上回る激しい論争が容易に想像できます。2作品が大賞を、3作品が優秀賞を受賞しましたが、惜しくも受賞にはならなかった作品にも、編集からご連絡が行くこともあるかと思いますので、よろしくお願いします。私は、10年以上、一人の客としてコミティアさんに通い続けているのですが、才能がひしめき合う場だと感じています。その才能を、いかに多くの人に知ってもらうかが、私たち編集の仕事だと思っています。世界をうならせる作品を生むための作戦を、是非、一緒に練らせてください。
ITAN編集チーフ 冨澤
今回初めて、審査員長を務めさせて頂きました。116作品ものご応募を頂いていたことに感動しました。改めて感謝申し上げます。即断を求められる現場で感じたことは、粘る心を持っている投稿者の方の作品は必ず編集者に届くということ。粘れるというのは、ご自身が生み出したキャラクターへの尽きない興味であり、より良い画面を届けたいという意地と執着だと思います。大賞の2作品、優秀賞の3作品はその点が突出していて、受賞者の方の初単行本を手に取る日が待ち遠しいです。そしてその日から、本当の粘りが試されていくはずで、私たちはそこで読者に献身できる方を選んだと思っています。今回惜しくも形にしきれなかった思い、是非いつでもぶつけてきてください!

両編集者が各誌、そして即日新人賞について熱く語ったインタビューが、
新人漫画家に特化したメディア「yomina-hare」にて公開中!

大賞 2名デビュー!! 賞金10万円(当日払い)+掲載権
ITAN 『魔女と怪物』 吉村あまぐ 『魔女と怪物』吉村あまぐ

あらすじ 人間と共存して生きる魔女・アンジェラは、ある日なじみの村人から相談を受ける。村の名産である、大きくて甘いカボチャが盗まれて困っているというのだ。盗まれた現場に残っていた大きな足跡をたどって森に入ると、そこには大きな怪物のような男がいて…!?
<ITAN35号掲載>

講評

読み手をワクワクさせる描写が巧みで、1ページ目から心を掴まれました。キャラクターが魅力的で、またそれぞれの感情がしっかりと描かれているので、ファンタジー世界の登場人物にもすんなりと感情移入することができます。さらなる世界観の広がりと人間ドラマの両立を目指してください!

今回こうして自分が描いたものを、こういった形で評価していただき、またいろんな人の目に触れる機会をいただけて本当に嬉しいです!大変な未熟者ですが、自分の中にあるものを上手く伝えられるように、またそれを楽しんで読んでもらえるように励みます。今後ともよろしくお願いします。

モーニング・ツー 『Planet Eagle』 鳥取砂丘 『Planet Eagle』鳥取砂丘

あらすじ かつて存在した“金星”と呼ばれる高度な文明。その遺物とともに暮らすスチクナは、金星の遺跡の門を開けたために、怪物に襲われてしまう。時は流れ、金星の探索者・ポーシャに助けられたとき、彼の肉体はすでに存在せず、その記憶と魂は恋人にもらったお守りに宿っていた。
<モーニング・ツー2016年11号掲載>

講評

ファンタジー世界を舞台にしながら、そこに生きる人々の心を中心に捉えて描けています。SF的どんでん返しも、非常にうまく使えていました。もっとたくさんの“金星”の怪物や、不思議な世界が見てみたい……そんな、主人公の旅の続きが読みたくなる作品でした。

はじめまして、鳥取砂丘です。漫画で賞をいただいたのは初めてのことなので、とても嬉しいです。受賞作の原稿はずっと前に完成させられず、心残りに思っていたものでした。せめて自分のためにでもと描き上げてみたのですが、それが今回の受賞! なんでも行動してみるものだと感じました。またどこか遠くに行けるような漫画が描ければと思います。

優秀賞 3名 賞金5万円(当日払い)
ITAN 『黙せる詩』 秋津那由子/望月カイコ 『黙せる詩』秋津那由子/望月カイコ

あらすじ 帝都芸術大学西洋画科に入学した波宮、横山、窪田の3人は出会い、それぞれに互いの才能を認めながらもよきライバルとして切磋琢磨していた。やがて戦争の波が押し寄せ苦渋の選択をする3人。戦争か絵画か? 絶望の底で手繰り寄せる本物の芸術と友情の行方は!?

講評

力強い絵。圧倒的な筆致。人物3人の絵画への情熱はあたかも作者達の漫画への情熱なのかと思うほど。戦時下での画学生という設定もそそられましたが、見せ場のコマも設定負けしておらず陰鬱に素敵でした(褒め)。70pという長さですが全編通して見ごたえ充分!

モーニング・ツー 『足長ギイの帰還』/『流行り神プロトコル』 中村朝 『足長ギイの帰還』中村朝

『足長ギイの帰還』あらすじ 長い脛節(あし)を持つ生物兵器・ギイの任務は、菌類さえも死滅する上空での空域監視。彼の体を調整するため、週に一度だけ上空を訪れる調整師・ガードルード、地上で敵の情報を管理する管制官、そして謎の敵だけが、ギイの世界のすべてだったが……!?

『流行り神プロトコル』あらすじ 志村阿智が訪れた部屋には、「座敷童子」が住んでいた!? 「必ずあちくんを幸せにする!」と奮闘する座敷童子と、なぜか「幸せになること」を頑なに拒む阿智の、奇妙な同居生活の行方は……!?

講評

『足長ギイの帰還』は、スケール感が大きく、読んでいて気持ちのいい作品でした。一方の『流行り神プロトコル』は、「座敷童子」という、よくあるテーマを用いながら、読者の予想を裏切る仕掛けがちゃんと効いている、身近で丁寧な読み切り作品。著者の「手数の多さ」を感じさせてくれる、魅力的な2作品でした。

モーニング・ツー 『まどからマドカちゃん』 福田泰宏 『まどからマドカちゃん』福田泰宏

あらすじ マンションの軒下で雨宿りしているサラリーマン。すると突然窓が開き、姿を現したのは、若い女の子。戸惑う主人公を尻目に、なぜか彼女は突然寿司を握り始め…? サラリーマン・ミーツ・不思議ガールコメディ。

講評

無駄のないやり取り、意表を突く展開、高い画力、そしてキャッチ―な企画。いずれも見事です。あとは、キャラデザ含めマドカちゃんをより魅力的にできないか、主人公とマドカちゃんの今後の関係性の発展にもっと期待を持たせる作りにできないか、そのあたりが課題だと思いました。

ほかの最終選考作
  1. 『闇鍋風4コマ漫画集』/『渡り祭』くろ谷はるむ
  2. 『死体見学』/『終末のブルーモーメント』千田浩之
事務局より

ご投稿くださった方、当日観覧にいらっしゃった方、「ニコ生」で最終選考をご覧になった方、イベント開催に際しお力を貸してくださった方、皆様のおかげで「即日新人賞その5」は非常に刺激的でアツいイベントになりました。本当にありがとうございます!ITANとモーツー、受賞された方々の今後のご活躍にご期待ください!

やっぱり漫画はおもしろい月刊モーニング・ツー 世界のはじっこを描き出す小さなコミック誌ITAN COMITIA