光るきのこを背中一面に寄生させた青年・想田の家に転がり込んだ亀重。夢を追うことに挫折し、低きに流れる水のように無為に暮らしてきた彼女は、きのこのために生きる想田の暮らしに衝撃を受ける。母に捨てられた過去を持つ彼は、いまの生活に満足そうだが、徐々に衰弱しているようだ。そんなとき、想田の母が見つかったとの連絡があり……?
幻の奥義「朱紐の十三音」の十三音目を会得するため、師匠の朱守のもとで修行している和瓜。何度も指南をお願いしているが、のらりくらりとかわされ、本当に知りたいならば、秘伝の巻物を奪えと勝負を挑まれる。並の道場破りならば蹴散らせる実力を持つ和瓜がどうしてそんなにも十三音目がほしいのか、朱守はなぜ十三音目を渡さないのか。そこには隠された気持ちがあった。
絵の魅力、とくに、こう描きたい!という表現への思いがあって、好感を持ちました。ストーリーとしての完成度はまだまだなのですが、キャラの造形 やエピソードの挟み方などに、センスを感じさせます。将来性に期待大!
非常に巧みな画面構成、独創的な設定で、自分だけの世界を確立しています。少々観念的すぎる面はあれど、決して明るくない悲しい話を生きることに希望を持たせるストーリーに落とし込んでいて、素直な感動を呼びます。セリフが伝わりにくい場面がありますが、それを補って余りあるオリジナリティはすばらしい。今後はわかりやすさを心がけて、新作にむけて頑張ってください!