なみが編んできたマフラーの輝きに、突然惹き込まれたさほ。特訓をつけてもらうものの「むー…、ムズカシイ!!」。帰って一人特訓し、短いのが編めた! 来週のテストが迫る中、どうしても完成させたいマフラー。没頭するさほを心配そうに見つめるなみとまい。女子高生3人の青春のおはなし。
ある日、姿も名前も声もなくした「ぐねぐね」は、街の音楽家でうさぎの風琴に拾われる。「好きなだけいればいい」と言う風琴(フウキン)の言葉に甘え、身を寄せたぐねぐね。穏やかで優しい時間を過ごす中、街頭での演奏を咎めにきた町長の姿に、ぐねぐねは「自分」を思い出す。しかし、記憶や声は戻ったものの、姿だけは元に戻らず……!?動物と人間が共存する不思議な世界で、迷い、立ち止まりながらも「自分」を探し続ける成長ストーリー!
独自の世界観と空気感で、温かくも切ない物語を描いた砂川さん。登場人物はうさぎや犬、そして主人公はぐねぐねした不思議な生き物という異端な設定ながら、そのありえなさを超えて、作品に惹きこむ魅力がありました。今後は、人間・人物をより深く真正面から描くことができれば、新たな武器を手に入れることができるはず。設定や世界観に頼りきらない、漫画として、エンターテインメントとしての面白さを追求してください。次の投稿、期待しています!
人の妄想を描き、生計を立てている「妄想絵師」。彼女は依頼者の頭の中を描き出し、そして依頼者はその絵を見て、喜んだり涙したり、そして癒されたり…。今日の依頼者は、以前ある事故に巻き込まれたという青年。彼はその事故で、もう一人の男性と崩れた建物の下に閉じ込められた。救出を待つ間、二人はある少女を思い描き、気持ちを強く持とうとした。結果、助かった青年は、その時の命の恩人である少女を描いてほしいと、絵師にお願いする。
初投稿ながら、最後まで緊張感のある物語を描ききったぱらりさん。ストーリーテラーとして通用することを示しました。妄想を扱う不思議な世界らしく、若干の異様さをキャラクターたちに纏わせたところも、作品の個性を際立たせました。課題は画力。まだ雑だと思わせてしまう部分があるので、これが「味」となるよう沢山作品を描いて、技術の向上を目指したいところです。次回は課題をクリアしつつ、さらに発展したぱらりワールドを!
大学生の美甘が、ある日拾ったなぞの機械。飛び出してきたのは6人の自分。それはこれから過ごす月~土から来たのだった。そして月曜日、日曜から戻った美甘の後ろにフユ子と名乗る少女がいた。未来から来たフユ子は、何かを知っているみたい……。月~土まとめて日曜日にしか戻れないタイムマシン。しかも10秒間だけ。そんな役立ちそうもないタイムマシンを使って、なんとか1週間を快適に過ごそうと奮闘する美甘だが……!?
発想の面白さが秀逸でした! タイムマシンの制限、日曜日の夜に10秒戻ることで、50円足りない買い物を回避しようとしたり、曜日別のTシャツを着たり。また、タイムマシンから6人が飛び出てくる絵のアングルや明暗の表現など、随所にセンスがみられました。ただ、タイムマシンの性格上、どうしてもわかりにくくなる部分があり、そこをうまくさばききれなかったかな。まだまだ伸びる才能、そして得がたい個性です。次回作に大期待です!
ただただ編み物をし続けた主人公。彼女の好きなものに出会えた喜びや、ちょっぴり飽きたりするキャラの躍動感が鮮やかに描かれていました。作品全体の乙女感・少女感はとっても魅力的ですし、醸し出される空気感・行間も本当に素晴らしかったです。乙女なタッチで元気なキャラクターというのはITANにも新ジャンル。漫画歴も浅く伸び白も大きい方。自分の作品の幅をどんどん広げてください。デビュー、おめでとうございます!!