第7回スーパーキャラクターコミック大賞

スーパーキャラクターコミック大賞も今回で7回目。新しい才能との出会いに選考会もおおいに盛り上がり、結果、優秀賞1名、奨励賞3名が選ばれました! 次回の〆切りは2013年8月30日(金)!  ITANなる新たなる才能を、待ちしています!!

これまでのデビュー者たち
第1回大賞受賞 田中相さん|バレーボール漫画「その娘、武蔵」連載中 コミックス「千年万年りんごの子」「世界はポケットの中の庭」「誰がそれを」発売中
第1回大賞受賞 千代多みく郎さん|「メルヒェン ヴェルト」連載中 コミックス「少女鉄姫グランジ」発売中
第2回優秀賞受賞 以冬リ子さん|受賞作「ギミックブレイカー」がITAN14号に掲載!
第2回優秀賞受賞 カムさん|「キラキラ光る嘘の粒」連載中&コミックス1巻は2015年1月発売
第3回優秀賞受賞 北駒生さん|BE・LOVEにて「あさめしまえ」シリーズ連載中
第5回優秀賞 タナカミホさん|「いないボクは蛍町にいる」連載中&コミックス1巻発売中
第5回優秀賞受賞 篠田あやさん|受賞作「そらにはこぶね」がITAN10号に掲載!
第6回優秀賞受賞 長谷川ろくさん|「KEMARI」をITAN23号より短期集中連載
第6回優秀賞受賞|名越チゴさん|受賞作「and i」がITAN14に号掲載
第7回優秀賞受賞 芦田実希|「はじめのニット!」連載中&コミックス1巻発売中
第9回優秀賞受賞 畑リョウ|受賞作「黒猫のたんご」がITAN19号に掲載
第9回優秀賞受賞 かくたすず|受賞作「紙手」がITAN20号に掲載
第9回優秀賞受賞 いとよし|受賞作「神さま食堂」がITAN20号に掲載
第10回優秀賞受賞 紺 津名子|受賞作「私はお米を炊くかかり」がITAN23号に掲載
第10回優秀賞受賞 七瀬悠吾|受賞作「明日も世界はいつも通り」がITAN23号に掲載
第11回優秀賞受賞 織田涼|受賞作「能面女子の花子さん」は本誌&Webで絶賛連載中!
未来の才能、彼らに続け!
優秀賞【賞金30万円+副賞】
芦田実希「はじめのニット」28ページ
芦田実希「はじめのニット」28ページ
■ストーリー

なみが編んできたマフラーの輝きに、突然惹き込まれたさほ。特訓をつけてもらうものの「むー…、ムズカシイ!!」。帰って一人特訓し、短いのが編めた! 来週のテストが迫る中、どうしても完成させたいマフラー。没頭するさほを心配そうに見つめるなみとまい。女子高生3人の青春のおはなし。

■講評

ただただ編み物をし続けた主人公。彼女の好きなものに出会えた喜びや、ちょっぴり飽きたりするキャラの躍動感が鮮やかに描かれていました。作品全体の乙女感・少女感はとっても魅力的ですし、醸し出される空気感・行間も本当に素晴らしかったです。乙女なタッチで元気なキャラクターというのはITANにも新ジャンル。漫画歴も浅く伸び白も大きい方。自分の作品の幅をどんどん広げてください。デビュー、おめでとうございます!!

奨励賞【賞金5万円+副賞】
砂川水紀 「ほうき星とぐねぐね」 24ページ
砂川水紀「ほうき星とぐねぐね」24ページ
■ストーリー

ある日、姿も名前も声もなくした「ぐねぐね」は、街の音楽家でうさぎの風琴に拾われる。「好きなだけいればいい」と言う風琴(フウキン)の言葉に甘え、身を寄せたぐねぐね。穏やかで優しい時間を過ごす中、街頭での演奏を咎めにきた町長の姿に、ぐねぐねは「自分」を思い出す。しかし、記憶や声は戻ったものの、姿だけは元に戻らず……!?動物と人間が共存する不思議な世界で、迷い、立ち止まりながらも「自分」を探し続ける成長ストーリー!

■講評

独自の世界観と空気感で、温かくも切ない物語を描いた砂川さん。登場人物はうさぎや犬、そして主人公はぐねぐねした不思議な生き物という異端な設定ながら、そのありえなさを超えて、作品に惹きこむ魅力がありました。今後は、人間・人物をより深く真正面から描くことができれば、新たな武器を手に入れることができるはず。設定や世界観に頼りきらない、漫画として、エンターテインメントとしての面白さを追求してください。次の投稿、期待しています!

ぱらり「妄想絵師」40ページ
ぱらり「妄想絵師」40ページ
■ストーリー

人の妄想を描き、生計を立てている「妄想絵師」。彼女は依頼者の頭の中を描き出し、そして依頼者はその絵を見て、喜んだり涙したり、そして癒されたり…。今日の依頼者は、以前ある事故に巻き込まれたという青年。彼はその事故で、もう一人の男性と崩れた建物の下に閉じ込められた。救出を待つ間、二人はある少女を思い描き、気持ちを強く持とうとした。結果、助かった青年は、その時の命の恩人である少女を描いてほしいと、絵師にお願いする。

■講評

初投稿ながら、最後まで緊張感のある物語を描ききったぱらりさん。ストーリーテラーとして通用することを示しました。妄想を扱う不思議な世界らしく、若干の異様さをキャラクターたちに纏わせたところも、作品の個性を際立たせました。課題は画力。まだ雑だと思わせてしまう部分があるので、これが「味」となるよう沢山作品を描いて、技術の向上を目指したいところです。次回は課題をクリアしつつ、さらに発展したぱらりワールドを!

本谷唯「タイムマシンとフユ子」48ページ
本谷唯「タイムマシンとフユ子」48ページ
■ストーリー

大学生の美甘が、ある日拾ったなぞの機械。飛び出してきたのは6人の自分。それはこれから過ごす月~土から来たのだった。そして月曜日、日曜から戻った美甘の後ろにフユ子と名乗る少女がいた。未来から来たフユ子は、何かを知っているみたい……。月~土まとめて日曜日にしか戻れないタイムマシン。しかも10秒間だけ。そんな役立ちそうもないタイムマシンを使って、なんとか1週間を快適に過ごそうと奮闘する美甘だが……!?

■講評

発想の面白さが秀逸でした! タイムマシンの制限、日曜日の夜に10秒戻ることで、50円足りない買い物を回避しようとしたり、曜日別のTシャツを着たり。また、タイムマシンから6人が飛び出てくる絵のアングルや明暗の表現など、随所にセンスがみられました。ただ、タイムマシンの性格上、どうしてもわかりにくくなる部分があり、そこをうまくさばききれなかったかな。まだまだ伸びる才能、そして得がたい個性です。次回作に大期待です!