第9回スーパーキャラクターコミック大賞

今回も、100名近くのご投稿をいただき、なんと3名のデビュー者が出ました!! 今後のITANでの活躍に期待大のフレッシュな才能たちです!! 入賞がかなわなかった人たちでも、担当が付いた方々が多数いらっしゃいます。次回、記念すべき第10回スーパーキャラクターコミック大賞でのデビューを目指して頑張ってください! 第10回の締め切りは、9月1日(月)当日消印有効です。

これまでのデビュー者たち
第1回大賞受賞 田中相さん|バレーボール漫画「その娘、武蔵」連載中 コミックス「千年万年りんごの子」「世界はポケットの中の庭」「誰がそれを」発売中
第1回大賞受賞 千代多みく郎さん|「メルヒェン ヴェルト」連載中 コミックス「少女鉄姫グランジ」発売中
第2回優秀賞受賞 以冬リ子さん|受賞作「ギミックブレイカー」がITAN14号に掲載!
第2回優秀賞受賞 カムさん|「キラキラ光る嘘の粒」連載中&コミックス1巻は2015年1月発売
第3回優秀賞受賞 北駒生さん|BE・LOVEにて「あさめしまえ」シリーズ連載中
第5回優秀賞 タナカミホさん|「いないボクは蛍町にいる」連載中&コミックス1巻発売中
第5回優秀賞受賞 篠田あやさん|受賞作「そらにはこぶね」がITAN10号に掲載!
第6回優秀賞受賞 長谷川ろくさん|「KEMARI」をITAN23号より短期集中連載
第6回優秀賞受賞|名越チゴさん|受賞作「and i」がITAN14に号掲載
第7回優秀賞受賞 芦田実希|「はじめのニット!」連載中&コミックス1巻発売中
第9回優秀賞受賞 畑リョウ|受賞作「黒猫のたんご」がITAN19号に掲載
第9回優秀賞受賞 かくたすず|受賞作「紙手」がITAN20号に掲載
第9回優秀賞受賞 いとよし|受賞作「神さま食堂」がITAN20号に掲載
第10回優秀賞受賞 紺 津名子|受賞作「私はお米を炊くかかり」がITAN23号に掲載
第10回優秀賞受賞 七瀬悠吾|受賞作「明日も世界はいつも通り」がITAN23号に掲載
第11回優秀賞受賞 織田涼|受賞作「能面女子の花子さん」は本誌&Webで絶賛連載中!
未来の才能、彼らに続け!
優秀賞【賞金30万円+副賞】
畑リョウ「黒猫のたんご」40ページ
畑リョウ「黒猫のたんご」
■ストーリー

他の人には見えない、不思議なものが見えるケイト。保護された施設から、黒いものに追われ逃げ出し、雪の中、行き倒れているところを、画家の永遠さんに助けられる。いなくなった飼い猫・たんごを探す約束で、永遠さんのところに置いてもらうことにするが、永遠さんはすぐ裸になる、だらしない、そのうえ頭から不思議なものが生えている(そう見える)。でもとてもあたたかい人で…!?

■講評

永遠さんがとても魅力的でした! ケイトくんもかわいい! 笑えてジーンとくる、いい話になりました。画面にちりばめられた不思議なものたちも、楽しめました。まだまだ、背景の奥行き感や、作品全体をピリッとしめる技など、課題はありますが、畑リョウさんの強みは、なんといってもキャラクター。その強みを生かして、読者を魅了する作品を作ってほしいと思います。

■受賞者コメント
とても震えております。ありがとうの言葉しか言葉になってくれません。
支えてくれた友、家族、そして担当様、編集部の皆様に心を込めて感謝を。
この度は素晴らしい賞を本当にありがとうございました!
まだまだまだ未熟者ですが日々精進し楽しく楽しんで頂ける作品を創ります!

かくたすず「紙手」40ページ
かくたすず「紙手」
■ストーリー

「人間アレルギー」で、他人に近寄るとくしゃみが出る体質の男の元に、毎週届いていた娘からの手紙。しかし、あるときそれがぱったりと途絶え、次に届いたのは娘の訃報だった。最後の手紙の「お願い」の内容を知るために、男は、娘の手紙をインプットしたロボットを作り上げる。そこに訪ねてきた妻は、生きている娘に会いに来なかった男に対して憤りを感じ──。

■講評

前作に引き続き、伸びやかな描線が魅力的。課題であった、わかりづらさもずいぶん改善され、見事2度目の投稿でデビューとなりました! 父と子、夫婦のすれ違いなど、オーソドックスな人間関係を描きながらも、オリジナリティを感じさせる「人間アレルギー」やロボットとしての娘のせりふなど、細かい描写が魅力的でした。前作に比べると、やや型にはまった印象も受けるので、今後は自分だけの表現力に一層磨きをかけていきましょう。今後も期待しています!

■受賞者コメント
自分を夢中にしてくれた漫画には、言葉ひとつ絵ひとつでは表せない何かがいて、それに会ってみたくて、漫画を描きはじめたような気がします。
好奇心(?)を受け止めてくださった担当様、友人に、心から感謝しています。
これからも、ぶらり「何か」めぐりを続けていきたいです。

いとよし「神さま食堂」34ページ
いとよし「神さま食堂」
■ストーリー

栗田の新しいバイト先は、神さま食堂。一見普通の食堂だけど、店長は……神様だった!? ここは、実は店長が住み込みバイトのハルマキさんのために開いた店。ハルマキさんは店長のお姉さんから、三つの神様の力を預けられ、困っていたのです。店長がお姉さんを探しに行き留守の間、先輩バイトのももさんと栗田は、ハルマキさんの力になろうとするけど、何者かがハルマキさんを狙い!? 

■講評

夜の食堂、路面に落ちるお店の光、後光が射す店長。光の表現がとても気持ちよく、作品世界に個性を与えていました。また、大食いのももさん、眉毛がかわいいハルマキさん、淡々とした栗田くんのキャラも魅力的。強力な武器である絵とキャラの力を磨きつつ、ストーリー面でもぐいぐい読ませていけるような力をつけて、読者を引き込む作品を作ってください。期待しています!

■受賞者コメント
受賞のご報告にまずはとても驚き、後からじわじわと嬉しくなりました。
まだまだ足りない部分が多いですが、その分挑戦できることがあるのだと感じています。楽しんだり悩んだりしながら、もっと漫画を描きたいと思います。
ありがとうございました!

奨励賞【賞金5万円+副賞】
アサヒ「彼女が消えてから」40ページ
アサヒ「彼女が消えてから」
■ストーリー

いやな思い出や忘れたい記憶を消してくれる「バク」っていう人がいる。噂をきいてやってきたのは制服の女の子・夢子。「親友を殺した記憶を消してほしいです」。殺人の記憶は80万円。払えないなら、大切な人の記憶を買い取って、相殺できるという。バクに、殺した親友・そのが一番大切な人だとずばり言われれ、夢子の決心は揺らぐが……!?

■講評

まだまだ未完成ながら、絵にもストーリーにも荒削りな魅力がありました。とくに女の子の表情が豊かでかわいく、泣き顔も心を打つものが。また、バクのクールな表情、掃除機を背負った姿など、キャラクターを立たせる工夫も面白かったです。人物のボディや、背景、また大人の描き方など、これからの課題はありますが、なにより熱量の多さが買い! 成長を楽しみにしています。