他の人には見えない、不思議なものが見えるケイト。保護された施設から、黒いものに追われ逃げ出し、雪の中、行き倒れているところを、画家の永遠さんに助けられる。いなくなった飼い猫・たんごを探す約束で、永遠さんのところに置いてもらうことにするが、永遠さんはすぐ裸になる、だらしない、そのうえ頭から不思議なものが生えている(そう見える)。でもとてもあたたかい人で…!?
他の人には見えない、不思議なものが見えるケイト。保護された施設から、黒いものに追われ逃げ出し、雪の中、行き倒れているところを、画家の永遠さんに助けられる。いなくなった飼い猫・たんごを探す約束で、永遠さんのところに置いてもらうことにするが、永遠さんはすぐ裸になる、だらしない、そのうえ頭から不思議なものが生えている(そう見える)。でもとてもあたたかい人で…!?
「人間アレルギー」で、他人に近寄るとくしゃみが出る体質の男の元に、毎週届いていた娘からの手紙。しかし、あるときそれがぱったりと途絶え、次に届いたのは娘の訃報だった。最後の手紙の「お願い」の内容を知るために、男は、娘の手紙をインプットしたロボットを作り上げる。そこに訪ねてきた妻は、生きている娘に会いに来なかった男に対して憤りを感じ──。
前作に引き続き、伸びやかな描線が魅力的。課題であった、わかりづらさもずいぶん改善され、見事2度目の投稿でデビューとなりました! 父と子、夫婦のすれ違いなど、オーソドックスな人間関係を描きながらも、オリジナリティを感じさせる「人間アレルギー」やロボットとしての娘のせりふなど、細かい描写が魅力的でした。前作に比べると、やや型にはまった印象も受けるので、今後は自分だけの表現力に一層磨きをかけていきましょう。今後も期待しています!
栗田の新しいバイト先は、神さま食堂。一見普通の食堂だけど、店長は……神様だった!? ここは、実は店長が住み込みバイトのハルマキさんのために開いた店。ハルマキさんは店長のお姉さんから、三つの神様の力を預けられ、困っていたのです。店長がお姉さんを探しに行き留守の間、先輩バイトのももさんと栗田は、ハルマキさんの力になろうとするけど、何者かがハルマキさんを狙い!?
夜の食堂、路面に落ちるお店の光、後光が射す店長。光の表現がとても気持ちよく、作品世界に個性を与えていました。また、大食いのももさん、眉毛がかわいいハルマキさん、淡々とした栗田くんのキャラも魅力的。強力な武器である絵とキャラの力を磨きつつ、ストーリー面でもぐいぐい読ませていけるような力をつけて、読者を引き込む作品を作ってください。期待しています!
いやな思い出や忘れたい記憶を消してくれる「バク」っていう人がいる。噂をきいてやってきたのは制服の女の子・夢子。「親友を殺した記憶を消してほしいです」。殺人の記憶は80万円。払えないなら、大切な人の記憶を買い取って、相殺できるという。バクに、殺した親友・そのが一番大切な人だとずばり言われれ、夢子の決心は揺らぐが……!?
まだまだ未完成ながら、絵にもストーリーにも荒削りな魅力がありました。とくに女の子の表情が豊かでかわいく、泣き顔も心を打つものが。また、バクのクールな表情、掃除機を背負った姿など、キャラクターを立たせる工夫も面白かったです。人物のボディや、背景、また大人の描き方など、これからの課題はありますが、なにより熱量の多さが買い! 成長を楽しみにしています。
永遠さんがとても魅力的でした! ケイトくんもかわいい! 笑えてジーンとくる、いい話になりました。画面にちりばめられた不思議なものたちも、楽しめました。まだまだ、背景の奥行き感や、作品全体をピリッとしめる技など、課題はありますが、畑リョウさんの強みは、なんといってもキャラクター。その強みを生かして、読者を魅了する作品を作ってほしいと思います。